懇意にしている業者さんから言われます。
「アンタ、裁判してどれだけもらえるの?」
「裁判に何年もかかって、300万や500万だったら・・・」
「何度も呼び出しをされて・・・数千万もらえるなら別だけど!」
「採算に合わないでしょう!年収にもならないよ!」
がぁーーん!
私は、クビにしたアイツらに、どうやって仕返しをしてやろうか?とそればかりを考えていました。言われてみれば、確かにその通りです。
「俺たちアナタを信じてここまで来たんですよ!」
「アイツらを見返してやりましょうよ!」
「判決が出るまで何年もかかるぐらいなら、自分でやったらいいじゃないですか!」
「アナタを信じているお客さんが放っておきませんよ!」
∑('0'*)(・・*)(・・、)。・゚゚・(>O<)・゚゚・。
しかし、退職金もないのにどうやって運営していったらいいのか・・・。
それを考えると、二つ返事で「よっしゃ!やろう!」と言えませんでした。
私が受注して新築した喫茶店の店舗併用住宅が我が家の裏にあります。そこを応接間代わりにして、毎日のように業者さんたちとのやりとりが行われました。私には、この年齢になるまで「親友」と言われる友達がひとりもいません。しかし、まるで親友のように、たくさんの業者さんたちが励ましてくれました。
「会社を興してよ!」
「俺たち資金は数ヶ月なら待ちますよ!」
とまで言ってくれる。有難い。本当に、涙が出るほど嬉しかったです。職人さんたちを大切にしてきた事が、ここに来て支えてくれるチカラになってもらえるとは・・・。
でも、さすがに甘えるわけにはいきません。でも、開業資金も運転資金も全くなし!
そうだ!あれがあるじゃないか!!
パニックになっていて、すっかり忘れていましたが、「老後の暮らしを自給自足で・・」と夢見て、伯耆町に購入した「古民家」を所有していたことを思い出しました!
土地は360坪、建物は延べ100坪を超えます。納屋は朽ち果てていましたが30坪くらいはあります。2階建て長屋門にお城のような大きな門構え。2連棟の土蔵に10坪ほどの味噌蔵と地下室。離れ座敷(床の間付)に五右衛門風呂(使用可能)もあり、母屋には囲炉裏もかまどもあり、いづれも使用可能な状態。なぜか炭火式(米国製)のオーブンまで備わっている、豪華で広い古民家です。
こうなったら、終の棲家として確保したこの「古民家」を手放すしかない!と思い立ちましたが、売る方法が浮かびません。さて、誰にどうやって売ったらいいだろうかと、随分悩みました。
そうだ!専門誌に出してみよう!
専門誌に掲載した途端、続々と6名様から問い合わせが入りました。遠くは奈良県。関西圏の人が多かったですが、最終的に、堺市の方にお譲りすることに決まり、起業資金が確保できたのです!