事業を始めると、今まで、伝票で購入できていた商品が現金での取引となりました。スポンサー企業もバックボーンのない私には、避けて通れない通過点でもありましたが、1年を過ぎる頃には、コツコツ信用を積み上げてきた結果がでてきて、「伝票でいいですよ!」と声を掛けていただけるほどになりました。そんな嬉しい毎日の中、とんでもない知らせが届きました。
私をリストラした会社が、倒産したのです!
「やっぱり・・・。」が最初の言葉です。
そりゃあそうでしょう!いくら中国地方の山林王がバックボーンの会社であっても、人件費や設備投資費ばかりがかかり、1年以上も利益が上がらない企業が続くはずがないのです。
私としては、よくぞこれまで持続したなぁ・・と。
大手メーカーも採用するらしいと中国地区の販売権を得た基礎工法は、結局、大手メーカーのどこも採用せず。東京にまで営業所を出し、全国展開を図るも、問題が多すぎて、皮算用通りには売れなかったのです。(当然です!)
当時私たち従業員が一丸となって儲けた利益を、個人の相続対策のために不動産を買いあさり、不動産部門へ移譲した複数の不動産は、倒産により取り上げられることになったそうでした。
ざまあみろ!
心の中でつぶやきました。
でも、工事をしたお客様はどうなるのでしょう?過去のお客さんのことが思い出されました。
よくよく考えると、倒産したならば、今まで工事をされたお客様のメンテナンスなどは誰がするのだろうか?と疑問がわいてきました。きっと困られるはず!と思い、私が工事を手がけた数百のお客様へお手紙を送りました。
「今後のメンテナンス工事は、全て私の方でさせて頂きます。どうぞ、お気軽にご連絡下さい。」と。
突然のリストラとは言え、元いた会社からのお客様を持っていくことはモラル的にも私の心情的にも許されないことと思い、担当していたお客様に、リフォーム業を始めたことはお知らせしていませんでしたが、倒産の知らせを聞き、ここまま放置しておくわけにはいかないと、ご連絡させて頂いたところ、たくさんのお客様からお電話を頂きました。
そんな倒産事件から2ヶ月も経過しない頃、お客様から「ヘンな郵便が来てるぞ!」と連絡が入ったのです!